雨の独り言

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「君、車の運転は大丈夫?高所作業だけど平気?」
いくつかの質問に答え、俺は雨を降らせるという秘密の仕事に就くことが出来た。
実は雨は天気管理局という機関が管理をしている。俺はそこのエージェントとして、雨雲カーに乗り空に上がると雨を降らせる仕事をしている。
長時間運転は当たり前。雲の上の仕事だからうっかり足を滑らしでもしたら地上に真っ逆さまだ。
基本一人仕事だから独り言も多くなる。ラジオを聞こうにも圏外なのだ。
そんなある日、田舎の婆ちゃんが水不足で困っていると小耳に挟んだ。
俺は仕事でもないのに雨雲カーに乗ると田舎の婆ちゃんの所に行き、雨を降らせた。恵みの雨に婆ちゃんは大喜びした。
翌日、俺は天気管理局に呼び出され、勝手に雨雲カーを使ったことを理由にクビを言い渡された。
そんな俺を同僚は天下りと呼んだ。
俺は今、田舎で畑仕事をしている。時々やってくる元同僚達のおかげで水不足は解決したよ。
公開:19/06/18 18:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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