病院に行きますよ

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タッタッタッタッタ
「あ、逃げた」

あの籠で、ツーンとした消毒液の匂いがする犬も猫も乱れ泣き止まぬ病院へ…私を連れて行こうとしてる。

こうなったらサビ猫の奥義!

くるん丸くなると身体がだんだん光沢を増し、毛が皮膚化し、ヌメヌメと分泌物を噴射!
ナマコに変身し、そのままヌメヌメ逃げる。逃げ足は遅い。
「捕まえた!」つるりんっ!
ママは私を捕まえるが、どっこい滑って、私は空中に飛ぶ。
パパも続いて捕まえようと、手を伸ばす。
「うわっ!滑った!」
パパもママも大騒ぎだ。
私を捕まえる事が出来ない。
「もう!パパもママも滑った滑った連呼するのやめてよ!受験生の娘がいるのに。あっ…子猫の時はナマコっぽかったけど、1歳になったらモスラの幼虫にしか見えない。キモい」
ガーン!
私は傷つくと同時に奥義は解け、本来のサビ猫に戻った。
そして自ら籠に入り、病院へと向かう……先生に傷心も治してもらう為に。
その他
公開:19/06/18 00:43
更新:19/06/18 10:10
猫びより

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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