走りたい
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走る。
振り返ることなく、とにかく。
後300メートルとなり、全力だった。
足に履いたスパイクが
競技場のアンツーカーに喰らいつく。
息はすでに切れ切れになって、
それでも最後の力を振り絞った。
後方に付くライバル校の選手の息遣いや足音は
全くと言うほど聴こえてこない。
競技開始の15分前の招集の場。
あいつは自信に満ち溢れているようでいた。
俺は監督の威圧的な言葉に動揺していた。
「何が何でも負けるなよ」
あいつはこちらに気づくと、鼻で笑っているようだった。
「くそっ」
怒りを感じた。
残り100メートル。
もうすぐだ。
大丈夫。
いける。
しかし、ゴールテープを切ったのはあいつだった。
全身から疲れどころではない喪失感に包まれ、
吐きそうだった。
競技場に響く歓声。
それは、俺に向けたエールではなく、
最後の走者に向けたもののように見えた。
俺は、本当に自分の意思で走ったのだろうか?
振り返ることなく、とにかく。
後300メートルとなり、全力だった。
足に履いたスパイクが
競技場のアンツーカーに喰らいつく。
息はすでに切れ切れになって、
それでも最後の力を振り絞った。
後方に付くライバル校の選手の息遣いや足音は
全くと言うほど聴こえてこない。
競技開始の15分前の招集の場。
あいつは自信に満ち溢れているようでいた。
俺は監督の威圧的な言葉に動揺していた。
「何が何でも負けるなよ」
あいつはこちらに気づくと、鼻で笑っているようだった。
「くそっ」
怒りを感じた。
残り100メートル。
もうすぐだ。
大丈夫。
いける。
しかし、ゴールテープを切ったのはあいつだった。
全身から疲れどころではない喪失感に包まれ、
吐きそうだった。
競技場に響く歓声。
それは、俺に向けたエールではなく、
最後の走者に向けたもののように見えた。
俺は、本当に自分の意思で走ったのだろうか?
青春
公開:19/06/19 20:45
小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。
「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。
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