振り子時計

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たくさんの振り子時計が並んでいる純喫茶の店内。
コーヒーを飲み、カチカチと音が鳴るのを聴いている。
手元には一冊の文庫本がある。
読み終えるにはまだまだ先だ。
「マスター、お代わり」
そう、カウンターの奥にいる男性に声をかけた。
同時にこのお店の雰囲気を考えた。
心地よい。しかしうるさくもある。地味で暗い。
連想していくと、悪い考えが湧いてきそうだから
止めた。
お店の戸が開く。
新たなお客が入って来た。
「あれっ?引田じゃないか」
そう呼ばれて一瞬、相手が誰だったか考える。
「宮地だよ、覚えていないか?」
頭の中から記憶が引き出される。
小学生の頃、同じクラスだった奴だった。
宮地は、自分が座る席の隣に座った。
「何か嬉しいな」
本人は喜んでいるみたいだが、
あまり関わりたくない。
この宮地が大嫌いだからだ。
奴は色々話しかけては来るが、
自分は振り子の音に集中して、相手にしなかった。
その他
公開:19/06/18 21:53

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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