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廊下の角にある柱がミケ専用の柱だ。最初は家中の柱で爪とぎをしていたが、今はこの柱でしかしない。
その日もミケは熱心に爪をといでいるように見えた。だが、いつもと動きが違った。
近づいてみると、そこには焼き魚の絵が彫られていた。本物そっくりの鮎の塩焼きだ。
「これ、おまえがやったのか……」
ミケは大欠伸をして横になると、そのまま眠ってしまった。
翌朝、猫の鳴き声で目が覚めた。ミケのではない。近所の野良達が網戸をこじ開けて入り、爪とぎ柱の前に屯していたのだ。
原因はすぐにわかった。鮎の絵から香りが漂っていたのだ。私は野良達を追っ払うと、もう食べ物の絵は彫らないようミケを叱った。
するとミケは柱の前に行き、縦横無尽に爪を走らせた。最初は不満の表れかと思ったが、籠目模様の爪跡を見て、私は畳んだ膝掛けを用意した。
そして柱からポンと飛び出した籠に敷くと、ミケはその中に入り大欠伸をして横になった。
その日もミケは熱心に爪をといでいるように見えた。だが、いつもと動きが違った。
近づいてみると、そこには焼き魚の絵が彫られていた。本物そっくりの鮎の塩焼きだ。
「これ、おまえがやったのか……」
ミケは大欠伸をして横になると、そのまま眠ってしまった。
翌朝、猫の鳴き声で目が覚めた。ミケのではない。近所の野良達が網戸をこじ開けて入り、爪とぎ柱の前に屯していたのだ。
原因はすぐにわかった。鮎の絵から香りが漂っていたのだ。私は野良達を追っ払うと、もう食べ物の絵は彫らないようミケを叱った。
するとミケは柱の前に行き、縦横無尽に爪を走らせた。最初は不満の表れかと思ったが、籠目模様の爪跡を見て、私は畳んだ膝掛けを用意した。
そして柱からポンと飛び出した籠に敷くと、ミケはその中に入り大欠伸をして横になった。
ファンタジー
公開:19/06/18 21:03
更新:19/06/19 21:35
更新:19/06/19 21:35
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