哀夢
2
3
夢を見た。
今は遠く離れてしまった、かつて大好きだった女性と数年ぶりに逢っている夢だ。
当時の私は彼女に対して見栄を張り、格好をつけ、傷つくことを恐れて自己保全に終始した。
もし、恥も外聞もなく素直に彼女にぶつかっていれば、もしかしたら状況は……
その彼女と私は夢の中で再会した。
多少雰囲気は変わっていたが、笑顔の面影は変わっていない。
そこで私は彼女に聞かされた。
今日結婚するの
目が覚めた。
まだ暗い床の中で私は、夢の意味をぼんやり考える。
不意にひらめいた私はトイレに駆け込み、壁の日めくり暦を乱暴にめくる。
新しく始まる今日の日付の脇に、小さく書かれた二文字。
大安
正夢か、それとも逆夢か、確かめる術は今は無い。
固く握りしめた拳の中で、引きちぎられた紙切れが、哀しい悲鳴を上げている。
今は遠く離れてしまった、かつて大好きだった女性と数年ぶりに逢っている夢だ。
当時の私は彼女に対して見栄を張り、格好をつけ、傷つくことを恐れて自己保全に終始した。
もし、恥も外聞もなく素直に彼女にぶつかっていれば、もしかしたら状況は……
その彼女と私は夢の中で再会した。
多少雰囲気は変わっていたが、笑顔の面影は変わっていない。
そこで私は彼女に聞かされた。
今日結婚するの
目が覚めた。
まだ暗い床の中で私は、夢の意味をぼんやり考える。
不意にひらめいた私はトイレに駆け込み、壁の日めくり暦を乱暴にめくる。
新しく始まる今日の日付の脇に、小さく書かれた二文字。
大安
正夢か、それとも逆夢か、確かめる術は今は無い。
固く握りしめた拳の中で、引きちぎられた紙切れが、哀しい悲鳴を上げている。
その他
公開:19/06/17 10:00
更新:19/06/19 06:35
更新:19/06/19 06:35
ログインするとコメントを投稿できます