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そんな仕事は気が進まなかった。
いくら予算が厳しいといっても、オール塗装の仕事にデザインなんてあったもんじゃないからだ。
世話になっている親父さんからの紹介だから仕方がなかった。
時間の指定までして、姿を現さない。やはりこの仕事とは縁がないのだと思っていると、見事な毛質をした黒猫が近づいてきた。
同じ黒でも毛質の具合で違うものだと感心していると、次の瞬間黒光りする体から不思議な香りが立ち込め気を失った。気がつくと目の前に黒い装束を纏った妙齢の女性が立っていた。
そこは色のないモノトーンで無彩色の世界だった。色がないにも関わらず、その極限のコントラストは、とても派手に感じられた。
「塗装だけのお仕事で申し訳ありません。その代わり全て、お任せいたしますから、この世にない程派手なお店にしていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。」と丁寧にお辞儀をすると、あの香りがまた立ち込めた。
いくら予算が厳しいといっても、オール塗装の仕事にデザインなんてあったもんじゃないからだ。
世話になっている親父さんからの紹介だから仕方がなかった。
時間の指定までして、姿を現さない。やはりこの仕事とは縁がないのだと思っていると、見事な毛質をした黒猫が近づいてきた。
同じ黒でも毛質の具合で違うものだと感心していると、次の瞬間黒光りする体から不思議な香りが立ち込め気を失った。気がつくと目の前に黒い装束を纏った妙齢の女性が立っていた。
そこは色のないモノトーンで無彩色の世界だった。色がないにも関わらず、その極限のコントラストは、とても派手に感じられた。
「塗装だけのお仕事で申し訳ありません。その代わり全て、お任せいたしますから、この世にない程派手なお店にしていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。」と丁寧にお辞儀をすると、あの香りがまた立ち込めた。
ミステリー・推理
公開:19/06/16 19:47
更新:19/06/16 20:35
更新:19/06/16 20:35
黒猫
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