オタクの女　-レキジョ-

オタクの女はチョロい。全く興味のない話題でも適当に聞いていれば勝手に好意を持ってくれる。
そして酒を飲まし、優しい言葉をかければホテルまで楽勝だ。
俺は今日も一人の女をお持ち帰りしている。車いすの歴女だ。
何でも列車が大好きで、その歴史を調べているらしい。どうでもいい話だ。
酒で眠らした女が目を覚ました。女は幸せそうな顔で囁いた。
「こうやって何人もの女の子を手籠めにしてきたのね」
俺は微笑むだけで何も答えない。

踏切を渡っている最中、車いすが何かに挟まり動かなくなった。押しても引いてもびくともしない。違う…俺の体が動かないんだ！
女は車いすから立ち上がった…ように見えた。女には下半身がなかった。
遮断機が下りる。俺は踏切内に取り残された。
迫る列車。俺は撥ねられ、上半身が線路脇に転がった。
「ああ、ああ！最高！最高よ！」
女はテケテケと笑いながら、俺に向かって何度もシャッターを切った。