『帰り道の忘れ物』 雨傘
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ある日、観劇をした。
だが嫌な予感があった。
古い所で管理が雑なのだ。
案の定、主が現れない。そんな私に声がした。
「お宅、忘れられたね」
「そのようです。困った。主は大丈夫でしょうか」
「そうさな。だが案外、他の奴で無事帰ってるかもな」
「でも、それだと私はどうしたら?もう何年も、雨の日も雪の日も助けてきたんです」
「俺達も運次第でなあ、道端でバキバキになってる奴も知ってるだろ」
「はあ……」
私は青ざめた。だが、彼は言う。
「でも、俺らは誰かの為になりゃあ、誰か一人の為じゃなくても良いともいえる。お宅も硬く考えず、その誰かを助けてやりな」
私はその言葉にかつてない感動を覚えた。
彼は傷だらけで、それだけ多くの人を助けてきたのだろう。自分のこだわりがバカらしくなった。
やがて私を取る人がいた。
私達は表に出た。雨の雫があたる。
私は心を開いた。帰り道、忘れ物の私は、雨からその人を助けた。
だが嫌な予感があった。
古い所で管理が雑なのだ。
案の定、主が現れない。そんな私に声がした。
「お宅、忘れられたね」
「そのようです。困った。主は大丈夫でしょうか」
「そうさな。だが案外、他の奴で無事帰ってるかもな」
「でも、それだと私はどうしたら?もう何年も、雨の日も雪の日も助けてきたんです」
「俺達も運次第でなあ、道端でバキバキになってる奴も知ってるだろ」
「はあ……」
私は青ざめた。だが、彼は言う。
「でも、俺らは誰かの為になりゃあ、誰か一人の為じゃなくても良いともいえる。お宅も硬く考えず、その誰かを助けてやりな」
私はその言葉にかつてない感動を覚えた。
彼は傷だらけで、それだけ多くの人を助けてきたのだろう。自分のこだわりがバカらしくなった。
やがて私を取る人がいた。
私達は表に出た。雨の雫があたる。
私は心を開いた。帰り道、忘れ物の私は、雨からその人を助けた。
ファンタジー
公開:19/06/16 12:39
はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。
沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。
ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。
興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^
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