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俺の視界が突然バックモニターに切り替わったのは、今朝、便座に座った時からだった。
便座が上がっていることに気づかずに座っちゃう危険が回避できてラッキーと思いきや、そのまま元に戻らない。
そっと後頭部をまさぐると、自分の指が視界一杯に広がり、思わず目を閉じる。視界も暗転。
ん?
メガネを外してみる。背後の水洗タンクがぼやけた。
俺は前向きな方なので、原因だなんていう後ろ向きなことは考えない。大切なのは、いかに自分の人生をenjoy! するかだ。
ユニットバスを出る。視覚的には後ずさりしているような感じだ。自分の部屋の中なら、さほど不便は感じない。だが、歯磨き、髭剃りは……
再びユニットバスに入り、鏡の方を向く。当然、背後のユニットバスの扉が見える。体を反転させ扉の方へ顔を向ける。当然、鏡に映る後頭部が見える。
なるほど、なるほど。
私はこうして、新しい自分になじんでいく。
便座が上がっていることに気づかずに座っちゃう危険が回避できてラッキーと思いきや、そのまま元に戻らない。
そっと後頭部をまさぐると、自分の指が視界一杯に広がり、思わず目を閉じる。視界も暗転。
ん?
メガネを外してみる。背後の水洗タンクがぼやけた。
俺は前向きな方なので、原因だなんていう後ろ向きなことは考えない。大切なのは、いかに自分の人生をenjoy! するかだ。
ユニットバスを出る。視覚的には後ずさりしているような感じだ。自分の部屋の中なら、さほど不便は感じない。だが、歯磨き、髭剃りは……
再びユニットバスに入り、鏡の方を向く。当然、背後のユニットバスの扉が見える。体を反転させ扉の方へ顔を向ける。当然、鏡に映る後頭部が見える。
なるほど、なるほど。
私はこうして、新しい自分になじんでいく。
青春
公開:19/06/16 12:13
更新:19/06/17 18:03
更新:19/06/17 18:03
書き出しだけ大賞
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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