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金魚鉢の中で、時間はころんと対流して永遠にどこかへ吸い込まれてしまいます。私は白い部屋で1人、金魚鉢の中で浮き、沈む、2匹のクリオネを眺めていました。膝の上では薄い画集を開いているのですが、赤い無機的な椅子の細い脚が支える私は、この部屋に流れる時間の今の一点において、確かにクリオネを眺めているのです。壁の上方の時計は1秒1秒を刻んでいますが、そんな事はこの世に時間が在る事の証左にはなりません。
突然一方のクリオネの頭が裂け、水中に漂っていた大きな餌を包み込みました。クリオネはああやって餌を食べるのです。次の瞬間はもう、クリオネは元の姿に戻ってまたプカプカとやっていました。
と、上品なピンクゴールドの愛犬が足下に寄ってきて、私の脛を舐め始めました。私は抱き上げようと前屈みになります。その時、愛犬の頭が4つに裂け、私を包み込んでしまいました。
時間のない暗闇で、小さな泡が数粒上っていきました。
突然一方のクリオネの頭が裂け、水中に漂っていた大きな餌を包み込みました。クリオネはああやって餌を食べるのです。次の瞬間はもう、クリオネは元の姿に戻ってまたプカプカとやっていました。
と、上品なピンクゴールドの愛犬が足下に寄ってきて、私の脛を舐め始めました。私は抱き上げようと前屈みになります。その時、愛犬の頭が4つに裂け、私を包み込んでしまいました。
時間のない暗闇で、小さな泡が数粒上っていきました。
その他
公開:19/06/16 11:31
更新:19/06/16 12:01
更新:19/06/16 12:01
ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m
※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
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