ぼくらのみらい

2
5

上空に飛行機。
いや、タクシーだった。
小学校の同級生達が、
続々と降りてくる。
それだけ今日の日が大事
なのだと思う。
校庭に集まった僕らは
敷地の隅にある花壇に向かった。
50年前。クラスのタイムカプセルを
埋めた時、どんな気持ちだったろう。
僕らはスコップを持ち、地面を
掘った。
カツンと当たる。
注目して土を除いていく。
銀色のカプセルは、
少しも錆びていなかった。
中を開け、懐かしいものが
続々出てくる。
みんな群がった。
中に当時の集合写真があった。
転校していった女の子が
映っていた。
転校当日、好きだったドラゴンの伝説の本を渡した。
恥ずかしかったけど、大事な事だ。
今日、彼女は政府専用機の車に
乗って、世界を飛んでいる。
夢だった空をつかむ仕事は
これから始まる首脳会議に
託されるのだろう。
希望は捨てない。
そんな未来を作っていく。
彼女の姿を見つめて。
SF
公開:19/06/16 09:42

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容