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他人の夢が叶うのを羨むようになってから、私の形相は大分痩せこけ、人間を寄せ付けない気配を漂わせていた。

清らかな滝の水流のような勢いもなく、ただ、ぼんやりと怠惰と寄り添い、その日暮らしをしていた。

私は古びた布きれを着て、杖をつき、暗澹の砂漠の中を歩いているかのようだった。

朝になれば太陽が昇る、夜になれば月が踊る・・・
しかし、私はそれを眺めれば眺めるほどに、頬に一筋の青が零れるのを感じるばかりであった。

私の足下にはいつの間にか希望の水たまりができあがっていた。
罪もなく、愛もない、ただ透明な水たまりが・・・
その他
公開:19/06/17 21:56

神代博志( グスク )









 

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