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親父の遺品に古ぼけたランプがあって、マジックで
『これは魔法のランプです。あなた“以外”の願いを3つ叶えることができます。誰の願いを叶えますか?』
なんて書いてあった。
親父のいたずらだろうと、面白半分に母に話してみた。
「早く孫の顔を見せてちょうだい」
私はそそくさと逃げた。
25年後、長男と酒を酌み交わしていた時、ランプのことを話した。
「家族明るく仲良く楽しく!」
酔った陽気で笑い合った。
それから40年、連れ添った妻は病床で余命幾許もないと宣告された。ランプの最期の願いを妻に託した。
「これからも、あなたが幸福でありますように」
妻は微笑みながら息を引き取った。
気がつけば、私は真っ白な光の中を歩んでいた。思い出が走馬灯のように駆け巡っていく。
私の人生は皆が願ってくれた幸せであふれていた。
これ以上の幸福がどこにあろうか。
私の手に、古ぼけたランプがあった。
『これは魔法のランプです。あなた“以外”の願いを3つ叶えることができます。誰の願いを叶えますか?』
なんて書いてあった。
親父のいたずらだろうと、面白半分に母に話してみた。
「早く孫の顔を見せてちょうだい」
私はそそくさと逃げた。
25年後、長男と酒を酌み交わしていた時、ランプのことを話した。
「家族明るく仲良く楽しく!」
酔った陽気で笑い合った。
それから40年、連れ添った妻は病床で余命幾許もないと宣告された。ランプの最期の願いを妻に託した。
「これからも、あなたが幸福でありますように」
妻は微笑みながら息を引き取った。
気がつけば、私は真っ白な光の中を歩んでいた。思い出が走馬灯のように駆け巡っていく。
私の人生は皆が願ってくれた幸せであふれていた。
これ以上の幸福がどこにあろうか。
私の手に、古ぼけたランプがあった。
ファンタジー
公開:19/06/17 21:04
日々のちょっとしたことから生まれたネタをショートショートに書き起こして楽しむ。
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