大人の味

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僕は今日、日頃仕事を頑張っているご褒美にと上司に「大人の店に連れて行ってやろう」と言われた。
大人の店と言えば、想像するのは高級な店。いや、もしかしたら女の子がいる店かも…
そんな期待に胸を膨らませる僕が連れてこられたのは何の変哲もない居酒屋だった。
何が大人の店だ…がっかりする。
店に入るなり早々、上司は「湯上り娘を頼む」と注文した。
近くの席では「ゆかた娘」を呼ぶ声がした。これはもしや…
「お前はとりあえずサヤムスメがいいだろう。ぷりっぷりだぞ!」
やっぱりそうだ!ありがとう上司!今日、僕は大人の男になります!

数分後、僕の前に出されたのは枝豆だった。
「あの…サヤムスメは…」
期待を込めて質問する僕に上司は不敵な笑みを浮かべた。
「湯上り娘・ゆかた娘・サヤムスメ。これら全部、枝豆の品種だ」
騙された!
今日、僕が飲んだビールの味は今まで飲んだどんな飲み物より苦く、大人の味がした…
公開:19/06/17 19:12

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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