大切な日々

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それはまるで、映画の冒頭に
流れるような日本海の波しぶきだった。
波が寄せ迫ってきては離れていく。
チビは砂浜の上を歩く姿が可愛かった。
生まれてから2ヶ月の猫。
初めて会った時、知り合いが
段ボールの中を見せ、しわしわっ子だった。
そのチビに海を見せる事にしたのだ。
「ほらチビ。貝があるよ」
チビは白い貝殻を見つめ、
恐る恐るパンチした。
「にゃー」
小さい声ながらも懸命に打つ。
すると離れた松林の所で
母猫のクロが呼んでいるようだ。
チビは駆けて側に寄る。
僕もお母さんの元へ帰りたくなった。
優しい笑顔の日傘を差した、砂浜を歩くお母さん。
今はもういないけれど、手を合わせて拝んでいる。
コイツらのお陰で心も癒され懐かしい思い出になった。
「さあ、帰って店支度するか」
僕は伸びをした。
二匹の猫を連れて、みんなの
思いを大事に。
そう空を見上げた後、
一緒に駆け出した。
その他
公開:19/06/17 17:30
更新:19/06/17 17:35

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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