表裏一体の愛憎

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「恐怖心を克服する装置の完成だ!」
「やりましたねY博士。それでこの装置はどう使うんです?」
「今からやって見せよう。例えば『幽霊』と」
博士は助手の頭に装置から伸びたバンドを着けると、キーを操作する。するとモニターに『-70』と表示された。
「科学者なのに幽霊が怖いとは」
博士がぼやきながら数値をいじり『0』にする。
「この心霊写真を見てごらん。怖くないだろ?」
「本当だ!これは凄い!」
写真を覗き込んだ助手が驚きの声をあげるのを聞き届け、盗み聞きしていたT博士はラボを後にした。

「博士、あの装置をプラスにするとどうなるんですか?」
朝、ラボに向かう道すがら助手がY博士に尋ねる。
「プラスにするとその分偏愛度が上がるんだ。限界まで上げたら幽霊ならオカルトマニア、女性なら色情狂になるだろうね」
彼らがY博士へのコンプレックスを克服しようと装置を勝手に使ったT博士と鉢合わせるまで、後数分。
SF
公開:19/06/17 14:09

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下手の横好きですがよろしくお願いします

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