居酒屋での会話
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夜の居酒屋。店内の油じみたテレビが、ひとりのヒーローの活躍をニュース番組で伝えていた。盃を持った青年がテレビを一瞥して、正面に座る初老の男に問いかけた。
「おやっさん、話って何です?」
初老の男は、テレビに視線を向けて
「…酔った勢いで言っちまうとな、あいつは地球の侵略を企む怪物どもから我々を守ってくれているヒーローなのか?と疑ってしまってな」
青年は黙って初老の男の話を聞いている。
「確かに怪物どもは醜悪だ。でも、そう見えるのは人間の感覚の問題で、実際は違うのかもしれない。怪物どもが世界征服を企んでいる証拠もない。もしかすると、あの正義の味方は、どこかの星から逃亡してきた凶悪犯で、怪人どもが凶悪犯を追う警察官なんじゃねぇかと…」
青年は二度三度瞬きをして笑った。
「いやだなぁ、おやっさん。そんなことはありませんよ。さぁ飲みましょう」
初老の男は、注がれた酒を静かに飲み干した。
「おやっさん、話って何です?」
初老の男は、テレビに視線を向けて
「…酔った勢いで言っちまうとな、あいつは地球の侵略を企む怪物どもから我々を守ってくれているヒーローなのか?と疑ってしまってな」
青年は黙って初老の男の話を聞いている。
「確かに怪物どもは醜悪だ。でも、そう見えるのは人間の感覚の問題で、実際は違うのかもしれない。怪物どもが世界征服を企んでいる証拠もない。もしかすると、あの正義の味方は、どこかの星から逃亡してきた凶悪犯で、怪人どもが凶悪犯を追う警察官なんじゃねぇかと…」
青年は二度三度瞬きをして笑った。
「いやだなぁ、おやっさん。そんなことはありませんよ。さぁ飲みましょう」
初老の男は、注がれた酒を静かに飲み干した。
ファンタジー
公開:19/06/15 00:04
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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