こねこねこねこ

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三毛猫の造り方を伝授しよう。材料は餅である。まずは臼と杵で餅をよくこねることである。こねこねこね、こねあげだ餅はしなやかな猫の体をより美しく仕上げるのに最適である。こねては返しを繰り返し、弾力の強い艶やかな餅になれば、造形に取り掛かる。耳は尖らせ、顔も小さく作ること。尻尾は短く、体はふくふくに仕上げることだ。
さて、猫の形に仕上がったなら、早速七輪に乗せてみよう。餅はふくふくと膨らんで、三毛猫模様の焦げがつけばこっちのものだ。あとは君の想う猫を夢に描け。
白餅は魂だ。七輪の火は命の灯だ。最後に名前を呼べば、名が体を表すだろう。餅の猫はよく伸びる。米のいい香りがする。縁起のいい福々ボディは幸運を呼ぶだろう。
作りものとてぞんざいに扱わないこと。何せ特別仕様の三毛猫だ。たちまち熱が失われ、ただの餅米に戻ってしまう。愛情込めてこねて欲しい。そして最期まで愛でること。それが飼い主の不可欠条件だ。
ファンタジー
公開:19/06/14 23:28
猫の造り方 猫やらかい。

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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