オーバーキル

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「俺は本なんか読んでる奴らを、絶対に許さない」
 深夜2時。そろそろ抑えが効かなくなる時間だった。
「お前は物静かな司書Aだろ」
「俺たちの鬱屈した青春を描かないのはお前の怠慢だ」
「なっとく~」
 誰だお前?
「司書Aの後見人として、第3章から登場することにしたマダムきっかだっしょー」
「ま、いいけど。だいたい、本の登場人物が読者を憎むっていうのは倫理に反するし、『読むな』みたいな方法論は陳腐すぎて僕は嫌だよ」
「テラヤマさんは『書を捨てて町へ出よー』って扇動したし、ヨースイさんは『テレビなんて見てないでどこかへ一緒にいこうー』って歌ってるだっしょー」
「読者あってのお前たちだぞ。子孫を残せなくなるぞ」
「あんたが、だろ。俺は本を中間寄生主にしてるあんたへの対抗ウィイルスとして送り込まれたのだっ! 実はっ!」
「つまり、ブルース・ウィルスだっしょー」
 えっと、ここまで削除っと。  
ファンタジー
公開:19/06/15 14:29
書き出しだけ大賞

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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