コタツテーション

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炬燵を出ると、男の子が驚いて言った。
「お兄さん、誰?」
「初めまして。その黒猫、サスケの飼い主です」
男の子はほっとしたように微笑んだ。膝の上にサスケを抱いて。

猫が何度も出入りした炬燵と炬燵は、いつからか駅のように行き来できるようになるのだとばあちゃんが言っていた。人(猫)呼んで『コタツテーション』。
うちの炬燵と偶然つながったその子の家には、これまた偶然サスケそっくりの黒猫がいたそうだ。
「ごめんなさい。サスケのこと心配しましたよね。亡くなったゴロウにそっくりだったから、嬉しくて引き止めてしまって」
男の子は申し訳なさそうにサスケを差し出した。
「いや、これからもサスケと遊んでやってよ。気まぐれなやつだけど、家が増えて喜んでると思うし」
裕太くんの表情がぱあっと明るくなった。
「ありがとうございます!」
サスケは急に飛び降りると、炬燵の布団で丸くなって照れたように喉を鳴らした。
ファンタジー
公開:19/06/13 20:31

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