罪

罪を犯した俺はその姿を猫に変えられた。
人間だった頃と同じようにその姿はみすぼらしいものだ。
弛んだ体に短い手足。顔も体も不細工だ。
どれを取っても猫の世界で生きていけるようなものでなければ、人に愛されるものでもない。俺は絶望した。
「ねぇ見てこの猫！ブサカワなんですけど～」
「短い手足、可愛い～。弛んだお腹、柔らかくて気持ちいい～」
だが気付けば俺は愛されていた。女性に大人気だった。
皆が俺をちやほやしてくれる。ご飯をくれる。抱きしめてくれる。
胸を触ったり、スカートの中に入っても嫌がられない。
まさにハーレム！猫の人生こそ俺が求めていたものだ！
しかしそんな生活は唐突に終わった…ある女性が俺にキスしてくれたんだ。
すると俺の姿は人間に戻った。…また嫌われ者に逆戻りさ。
だから罪を犯した。俺は猫に戻りたいんだ！

「で、また痴漢したと」

警察は俺に冷めた目を向けてくる。信じてくれない…