時を超えて

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「ねぇ、ちゃんと寝てる?」
仕事終わり、更衣室で着替えていると、先輩に声を掛けられた。
「寝てますよー」
嘘だ。ここのところ寝不足が続いている。
「いつでも相談にのるからね」
「その時はお願いしまーす」
私は笑顔を作り、その場を誤魔化した。

寝不足の原因は通勤時に感じる視線。ストーカーだろうか。でも恐怖心とともに、どこか懐かしさを感じている自身もいた。

まただ。いつもの視線を感じ、足早に帰路を急ぐ。
その時、一台の車が突っ込んできた。轢かれる! そう思った時、私は誰かに突き飛ばされていた。
「うぇーい」
顔を上げると懐かしい顔があった。小学生の頃、仲良かった男の子だ。
「あなた……」
私は彼と遊んだ最後の記憶が蘇っていた。
「やっとタッチできた。逃げ足早すぎー」
確か、彼は私を追いかけている時、車に……。
「今度は僕が逃げる番だね」
そう言った彼は「鬼さんこちら」と夜空に消えていった。
その他
公開:19/06/13 23:55
蘇る鬼ごっこ スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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