私の彼女は・・・

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私の彼女はきっと猫である。
いつも自由気ままに旅をする。
先日も私の朝食時にいきなり家に入って来て「今日、旅に行くからあなたも一緒に来なさい」と言い放ち、強引に旅先まで連れ出された。
なんて自分勝手な女性だろう。私の都合も聞かないで。
そうかと思ったら急にゴロゴロと猫なで声で甘えてくる。
私には彼女が何を考えているのかさっぱり分からない。
だから、私は「もしかして君の正体は猫なのか?」と聞いてみた。
すると彼女は「さあ、どうかしら」とはぐらかした。

数日後、私は彼女の家を訪れた。
彼女は私に「待っている間どの部屋を覗いても良いよ。でも、決して奥にある扉を開けないでね」と告げた。
だから私は笑顔で「了解」と返答した。でも、私は無性に彼女の秘密が気になった。少しだけなら、そう自分に言い聞かせ、そっと扉を開けた。
「見たわね」
いつの間にか背後に彼女が立っていた。
その日から私は黒猫になった。
公開:19/06/13 22:40
更新:19/06/23 09:49

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