ドスえもん その4ー1

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「ドスえもん」
「どうした、のぶん太」
「あんたに客だ。女性の」
「なに?」
のぶん太に招かれた客の姿を見て、ドスえもんはグラサンの奥で目を見開いた。
「久しぶりね、ドスえもん兄さん」
「ドス美」
「元気そうね」
「あ、ああ。お前もな」
妹だったのか、とのぶん太は女性を見つめる。
なるほど。いずれ俺もドスえもんを「義兄さん」と呼ぶようになるのか。
「今日はあいさつに来たの。ブラコ・ファミリーはご存じ?」
「ブラコ・ファミリー? そのマフィアがどうした」
「そういえば」
のぶん太が言った。
「最近、ボスのテンシノ・ブラコが死んで代替わりしたって話だぜ、ドスえもん義兄さん」
「ほう、って誰が義兄さんだ」
「確か、新しいボスは女性らしいが……」
ドスえもんは、ハッとしてドス美を見た。
「まさか」
「そう、私がブラコ・ファミリーの新しいボス」
ドス美は、口元に笑みを浮かべた。
「ドン・ブラコよ」
その他
公開:19/06/11 22:39

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