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僕はこの会社が、この会社の人が好きだ。
高橋さんの上昇志向はすごい。企画書を持って社長室に直談判しに行く様子を何度も見た。
栗山さんはすぐダウンする。今年すでに5回も早退している。仕事ができる人だけど、体は弱いそうだ。
山本さんはあがり症だ。プレゼン資料を持って社長室に向かうとき、いつも手が震えている。がんばれ。
竹田課長はくだらない。つまらない冗談で部下を困らせている。でもなんだか憎めない愛妻家。奥さんの料理を最高にお腹が空いた状態で食べるため、帰りは必ず階段を使うし、ひと駅余計に歩いて帰るそう。
でも最近、会社は下降気味らしい。最上階の社長室から降りてきた社長が言っていた。
僕も、最近なんだか調子が…
目を覚ますと、つなぎを着た男がこちらを見ている。
「たった今、直りました。これでまた上へいけますよ」
会社のため、僕はすぐに仕事を再開した。
エレベーターとしての仕事を。
高橋さんの上昇志向はすごい。企画書を持って社長室に直談判しに行く様子を何度も見た。
栗山さんはすぐダウンする。今年すでに5回も早退している。仕事ができる人だけど、体は弱いそうだ。
山本さんはあがり症だ。プレゼン資料を持って社長室に向かうとき、いつも手が震えている。がんばれ。
竹田課長はくだらない。つまらない冗談で部下を困らせている。でもなんだか憎めない愛妻家。奥さんの料理を最高にお腹が空いた状態で食べるため、帰りは必ず階段を使うし、ひと駅余計に歩いて帰るそう。
でも最近、会社は下降気味らしい。最上階の社長室から降りてきた社長が言っていた。
僕も、最近なんだか調子が…
目を覚ますと、つなぎを着た男がこちらを見ている。
「たった今、直りました。これでまた上へいけますよ」
会社のため、僕はすぐに仕事を再開した。
エレベーターとしての仕事を。
その他
公開:19/06/12 18:02
更新:19/06/15 03:39
更新:19/06/15 03:39
雨上がり
「カミヒトエ」
どこかつながりのあるひとつの世界。
それでも、それぞれに独立した物語がある。
僕たちの生きている現実世界にとても近くて、
だけどそれは、全て作り話。
原稿用紙1枚分の積み重ねで創る、
現実と紙一重のフィクションの世界。
その他の活動など↓
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