未来の箱

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冬のある日。
部屋で寝ていると、
誰かに起こされた。
ちょこんと座る小人。
女の子。
「やっと起きたのね」
呆れたような顔をして、
キッとした目つき。
「あなた悔しくないの?」
突然の言葉。
「もう、仕方がないよ」
そう答えたら
「バカじゃないの」
捨てるような言葉を吐いた。
「あなたにこれを届けに来たの」
角砂糖ほどの大きさしかない
箱だった。
「あなたの未来よ」
手を伸ばして掌に載せた。
箱にかかるリボンを解くと、
中から聴いたことのあるメロディが
出てきた。
目を閉じて、聴き終わる。
感謝の言葉を彼女に伝えようとした。
でも、いなくなっていた。
病気は進行した。
最後の日になり、また小人の彼女は
現れた。
窓に向かって手を振り、
雲間から光を引っ張り出した。
光のカーテンは一筋の希望を作り、
未だ消えない命を包んでくれた。
そして、手を伸ばす。
「ありがとう」
言葉が自然に出た。
ファンタジー
公開:19/06/09 10:20
更新:19/06/09 10:34

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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