ともちゃんの買い物

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ともちゃんが頭を抱えて何か悩んでいる。
「うん〜うん〜うん〜」
宿題にうなっている様子でもなく、勉強机には貯金箱から出したお金が散らばっている。
「10円玉が6枚、100円玉が2枚。なんでこんだけしかないの?」
それはともちゃんが「私のお金で買うからいい?」と今しているセイウチの髪留め買ったからでしょ。それにその髪留め「トド」だから。
「どうしたの?」私は声をかけた。
「かなこちゃんが今度誕生日なんだ。でね、このセイウチの髪留め買ってプレゼントしたいんだけどお金が足りなくて・・。何に使ったんだろう」そのトドの髪留め買ったんだよ、ともちゃん。
「そっか。ママはともちゃんに沢山お金貸してるから。ママは貸してあげられないよ」
「うん、わかってる」
「パパに助け舟、出してもらったら?」
「パパの舟、すぐ沈んじゃうからいいの」
私は苦笑しながら、仕方なくともちゃんに100円玉を2枚渡した。
その他
公開:19/06/09 06:09
更新:19/06/09 09:32

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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