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お祖母ちゃん子だった僕がなかなかお墓詣りに行けないのはこのアクセスの悪さのせいだ。
道の起伏が少しずつ大きくなってきて、がたんがたんとバスが揺れる。
昼間の疲れのせいか、僕はいつの間にか眠りに落ちていた。
いけない。
降りなくちゃ。
というか、何だかバスの気配が変だ。
眠い眼をこすって、開けると、車内がほの明るい。
見渡すと、天井にも側面にも無数の小さな灯が散りばめられ、呼吸している。
蛍?
蛍が点滅している。
縦横に並んだ蛍が少しずつずれて点滅し、その呼吸の時間差がウエーブのように車内を巡る。
何周も、何周も。
天然プラネタリウムかよ。
僕は息を呑んで、瞬く光の帯に見入っていた。
居並ぶ蛍に埋もれた降車ボタンを探すことも忘れて。
道の起伏が少しずつ大きくなってきて、がたんがたんとバスが揺れる。
昼間の疲れのせいか、僕はいつの間にか眠りに落ちていた。
いけない。
降りなくちゃ。
というか、何だかバスの気配が変だ。
眠い眼をこすって、開けると、車内がほの明るい。
見渡すと、天井にも側面にも無数の小さな灯が散りばめられ、呼吸している。
蛍?
蛍が点滅している。
縦横に並んだ蛍が少しずつずれて点滅し、その呼吸の時間差がウエーブのように車内を巡る。
何周も、何周も。
天然プラネタリウムかよ。
僕は息を呑んで、瞬く光の帯に見入っていた。
居並ぶ蛍に埋もれた降車ボタンを探すことも忘れて。
ファンタジー
公開:19/06/10 19:52
ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。
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