言語アーラヤ識のあんこによるポケット問題に関する断章

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「この顔をお食べ」と差し出されたのがドラえもんの顔であるような世界に、今の俺はいる。
 ドラえもんのドラがドラネコのドラであるようなあなたがたの事象平原では、ドラえもんとは、重装備のターミネーターの如き存在であったかもしれない。
 しかし、今私の在る事象平原の「ドラ」はドラヤキのドラと結びついており、定期的に倍に増える自らのドラヤキ顔を生活困窮者に与えることでWIN-WINの関係を築くと共に、社会福祉国家の責務の一旦を担う、重要な国家機関でもある。
 だが、何故腹にポケットを持つのか?
 この積年の問題が「ドラ=ドラネコ」という、あなたがたの言語アーラヤ識事象平原の発見によって明らかになったのだ。
 鍵となるのは「あんこ」だった。このあんこを特異転として捩れ干渉を起こした結果、こちらでは無尽蔵に増えるドラヤキの顔、そちらでは無尽蔵のポケットをもつドラねことして顕現したのである。
 以上。
その他
公開:19/06/10 15:33
書き出しだけ大賞

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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