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えっとぉ、、、この話わ、ぼくが死ぬまで終わりませんだってこの話に出あうために生まれてきたライフワークだものってことでおつきあいよろしくでぇ~す。
菊の祭壇で微笑む黒枠の写真。場内のスピーカーから、本人の明るい声が響くと、列席者の間に重たい沈黙がおりた。
肩を震わせる者。顔を歪める者。泣き出す子供。拳を握る者。
「こういうのはキツイよな」
「本当にツライわ」
そんなひそひそ話の中、司会者が、マイクに向かう。
「以上です。この録音は、故人が不慮の事故にあう三日前に、芥川賞と直木賞と本屋大賞をトリプル受賞した際のインタビューを想定したものです」
列席者全員が顔を上げ、司会者の次の言葉を待った。
「続きまして『パターン27:路上でラップ披露をしていた故人が、初の武道館公演前日に、猫を助けて溺死した』を披露いたします」
大きなため息の中、本人の声で、「俺はレオ百獣の王…」が始まった。
菊の祭壇で微笑む黒枠の写真。場内のスピーカーから、本人の明るい声が響くと、列席者の間に重たい沈黙がおりた。
肩を震わせる者。顔を歪める者。泣き出す子供。拳を握る者。
「こういうのはキツイよな」
「本当にツライわ」
そんなひそひそ話の中、司会者が、マイクに向かう。
「以上です。この録音は、故人が不慮の事故にあう三日前に、芥川賞と直木賞と本屋大賞をトリプル受賞した際のインタビューを想定したものです」
列席者全員が顔を上げ、司会者の次の言葉を待った。
「続きまして『パターン27:路上でラップ披露をしていた故人が、初の武道館公演前日に、猫を助けて溺死した』を披露いたします」
大きなため息の中、本人の声で、「俺はレオ百獣の王…」が始まった。
その他
公開:19/06/10 13:54
書き出しだけ大賞
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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