猫砂丘印の猫の砂

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「アカネ~、それ騙されてるって~」
 ランチタイムの学食で、アカネがバッグから取り出したガラス瓶入りの砂を見て、私はそう叫んでしまった。
「違う! 本物の猫の砂だもん」
 アカネが頬を膨らませる。
 瓶の中は、長短の白い粒と青い透明のビーズ。猫を飼っている私からすれば、本物の『猫砂』なのだが…
「で、いくらしたの?」
「一袋5キロで」うん。
「9千円だよ」高っ!
「アカネ~」
「信じてよ。本当に猫の砂なんだから!」それは、疑ってないよ…
 アカネは勢いよく席を立って、スープカップと割り箸とを持ってきた。
「本当は涙でやるの。いろんな猫が出てきて癒されるんだぁ」ハイハイ。
 カップに砂と水とを入れる。
「あと、防湿防臭効果」猫砂だもん…

 五分後、アカネが割り箸で砂の中から掘り出したのは、丸まって寝ている水色の猫の砂像だった。
 「どう?」というアカネの前で、私はその猫の虜になっていた。
ファンタジー
公開:19/06/07 10:04
更新:19/06/07 19:16

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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