友達の仁くん

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いつもお気に入りのオレンジ色のサッカーシューズを履いている、友達の仁。
「どうした仁?」僕は左右違う靴を履く仁に尋ねた。右足はいつものサッカーシューズ、左足は白のスニーカーだった。「なんでもない」小さな声で話す仁。数ヶ月ずっとそんな感じだった。夏の終わり。真っ黒に日焼けした仁の両足には赤色のスニーカーが履かれていた。
「かっこいいじゃん」と僕が言うと、仁は照れてた。
お母さんにその事を話すと、「仁くんは右足に大きな大きな怪我をしたのよ。『サッカーの神様、この足を治してください。もう一度サッカーがしたいです』って願掛けでずっとサッカーシューズを履いてたらしいわよ。でもやっぱり治らなくてね」
その後、入院中の大切な友達が好きだったサーフィンを始めたらしい。自分の姿を友達に見せると、一緒にやりたいと友達は元気を取り戻したようだ。あいつらしい。仁に、何故赤色のスニーカーにしたのか聞かなくっちゃ。
その他
公開:19/06/08 21:34
更新:19/06/09 09:41

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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