うらみ

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大学の食堂で
ゼミの仲間と口論になった。
相手は顔が整った美男子。
いわゆる、イケメンって奴だ。
頭は良いが口が悪い。
黙った僕に対して、
「これだからお前はさ」
と口にした。
家に帰って就寝時間。
布団に入り、電気を消した。
眠りにつくと、いつの間にか
砲弾、銃声の飛び交う戦場にいた。
突撃の合図。
穴から飛び出て駆け出した。
遠くにいた敵の大群は
大きく迫ってきた。
敵の顔が視界に入った時、
ためらいが生まれた。
奴だった。
いつもの恨み、張らしてくれると思ったが、殺せば死体。
怖かった。
空から
「キーン」
と鳴った後、
砲弾が炸裂。
真っ暗になった。
目が覚め、汗でぐっしょりとなった体。
息が整い、布団に目をやった。
広げた掌に朝の光を浴びた、
蝶の死骸が、あった。
バラバラになったそれは
人間には理解出来ない姿だった。
その他
公開:19/06/08 12:26

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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