人体の進化

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「人体って全く進化しないのですね」
「そう見えますか?」
今、私の前には未来からやって来たという坊主頭の男が立っていた。彼の時代ではタイムマシンが現実のものとなったそうだ。
科学の進歩は認めよう。しかし彼の姿は今の私たちと変わりない。
「顔立ちや身体的特徴、ファッションも目新しさは感じませんね」
「私の調べでは、ファッションに関しては繰り返しです」
「ファッションに関しては?」
「はい。お気付きになりませんか? 人体はかなり変わりました」
そう言われても特に変わったところは……。
「よーく、私の体を見てください。触っても良いですよ」
「では、お言葉に甘えて」私は彼の体に触れた。「……あれ?」
「どうです? 全身つるんつるんでしょ。おそらく毛穴の概念が必要なくなった影響ですね」
「じゃあ、これは……」
「えぇ。毛穴のひとつひとつから産毛、ある程度の毛までは全て彫り物です。人間味を求めて、ね」
SF
公開:19/06/07 23:58
更新:19/06/08 00:01
全身入れ墨タイムスリップ スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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