乗り換え駅

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「100年後に無くなる国が10こあるんだって」
「先生に聞いたの?」
「動画で観た」
「そうか…。二酸化炭素はどうにかせにゃいかんよな」
「1億年後には地球が無くなるんだって」
「動画で観たの?」
「友達に聞いた」
「太陽に飲み込まれるとか、そんな話?」
「知らね」
あいつは小さな画面に首を折り、コントローラーを操作する。飽きないね。俺はスマホを取り出した。地球の最期ってもっと先ではなかったかしら。
「100年後なんて関係ねぇと思ってるでしょう?」
俺はギクリと肩を揺らす。
「そんなことはない」
「1億年後は?」
「関係ないかなぁ」
列車は減速しはじめた。
「急行に乗り換えだよ」
「いいよ。座って行こう」
シートに深く座り直すと、あいつは腰を上げる。
「俺、乗り換えるよ」
いつの間にそんなに大きくなったのか。目を丸くして見上げる。立ち上がるあいつはどこまでも大きく、俺を容易に踏み潰した。
その他
公開:19/06/04 22:54

puzzzle( 神奈川19区 )

作文とロックンロールが好きです。
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