決行

2
4

時計を見る。
午前11時。
時間はぴったりだ。
表通りの玄関から入り、
受付嬢に悟られないようにする。
エレベーターに乗り込み、
息を沈ませる。
降りると、廊下は長く、奥の部屋
までは遠い。
途中、警備員と目が合い、
心臓がはねあがりそうになる。
コツコツと靴の音が響く。
黒いスーツの男が会釈してくる。
胸に手を当て、心臓は二段飛びする。
「こちらでお待ちです」
扉は開く。
奥にはイスに深く座った会長がいた。
扉が閉められ、部屋の明かりが
気持ちを揺らめかせた。
「ここに来た気持ちはどうかね?」
会長が言うと、
とっさに胸の所から出して、構える。
「緊張なさるな」
会長が微笑んだ時、
俺は腕を伸ばして突き出した。
会長はそれに手を添えると
「F大学のN君だね。」
と言って、
俺の履歴書を受け止めた。
その他
公開:19/06/04 10:30

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容