中学時代

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「一緒に練習しよ」
突然だった。
女子に手を握られた。
放課後のグラウンドで部活の練習。
彼女Tは僕が戸惑っているのとは関係なく、一緒に歩き出した。
周りの部員達は冷やかしもせず、
何も言わなかった。
僕は部活が終わり、帰宅すると
自主練習をする。
中学2年の春。夏の大会に向けがむしゃらだった。
僕が成績を伸ばす度に、Tは
喜んでいるようだったし、
周りも応援してくれた。
でも、夏の大会目前で僕は部活に
行かなくなった。
部員も避けるようになったし、
向こうも避けているようだった。
高校生になり、学校から帰る途中。
横断歩道の向こうにTがいた。
信号が青に変わり、周りも歩き出す。
声をかけようかと口を開けた。
すれ違いそうになった時、
Tは
「ばか」
と悲しそうな目で弱い声で僕に言った。
虚ろな気持ちを悟られたのか、
励ましの渇だったのか、
今の自分には分からなかった。
青春
公開:19/06/06 12:19

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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