RED PERCOLATION #35

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山の稜線や、海の水平線。
小さい頃、この先には一体何があるのだろう、と想った。

僕の知らない景色。沸き立つ冒険心。
いつか、その先をこの目で見たい、と想った。

大人になり、僕はお金さえあれば地球上のどこへでも行けるようにはなった。
でも何だか、それは虚しかった。

この脚で、行ってみたかった。
世界の先を夢見た、あの少年時代のように。

その時、たまたま魔が指したのか。
いつもと違う帰り道。ふと、少し遠くまで歩いてみた。

その先へも、その先へも、歩いてみた…。

…はい、ということで今、地球の果てからお送りしています。

何言っているかって?着いたんですよ、地球の果てに。ホントに。僕自身が一番びっくりです。

この先、前も下もなーんにもない。もうね、こりゃ果てだわ。

地球は丸い?果てなんてあるわけない?
誰がそんなこと決めたんでしょうね。

現に僕は今、果てにいるのに。

【果て】
その他
公開:19/06/05 21:03

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