城下の空

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商店が並ぶ通り。
刀の製作に忙しい。
城主の家来が訪ね、
新しい刀を用意して欲しいと
頼みに来た。
私は毎朝、火を入れる時は
祈りながら叩く。
武人に神有りだが、
加治屋にも神はいる。
戦が始まり、火の粉が舞った。
城下は燃えた。
季節外れの大雨が降り、
一時は静まりかえった。
戦は中断。声は聞こえず、
道々には草一本も生えていない。
雨が上がる。
その空には、鳥たちが飛び交っていた。
地上には荒廃の景色。
空には生き物の楽園が。
私は亡くなったとされる武人に
手を合わせ、
地上に町の喜びの声が帰ってくるのを祈った。
ファンタジー
公開:19/06/02 12:19

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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