梅の花の雨

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早朝、寝惚け眼で窓越しに外を見た。
ひらり、と空から落ちてきた何かが窓にくっついた。
どうやら梅の花のようだ。
しばらく眺めていると、幾重もの梅の花がひらひらと舞い始めた。
いや、もはや降っていると言っても過言ではない。
梅の花の雨。
それは時間が経つごとに、どんどん量が増えていった。
ふらり、と外に出る。
視界が梅の花に覆われた。
ふと、あたりを見回す。
梅の木など、どこにもない。
そもそも、すでに梅の花が咲く時期は過ぎている。
どこからともなく降り注ぐ、大量の梅の花。
あたり一面、あっという間に梅の花で埋めつくされていく。
こんな異常現象も気にする事なく、目を閉じ静かに息を吸った。
季節はずれの梅の香りに、心が安らぐ。

梅雨入り前。
これからジメジメした鬱陶しい日が続くだろう。
これはおそらく「そんな日が続くけど、許してね」という天の神さまの……。
ちょっとした遊び心と、埋め合わせ。
その他
公開:19/06/03 23:55

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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