電車内で声をかけてきた女子高生
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朝の通勤電車の下り線。
「おじさん。何しているんですか?」
一人の女子高生が声をかけてきた。
「えっ?私は何も…」
私は驚いて、思わず返事をしてしまった。
「その格好、マジ怪しいんですけど」
「怪しいって…私がそんなふうに見えますか?」
「バッチリ!見えます!」
女子高生の声が車内に響き、車内中の乗客が彼女に視線を注いだ。私は居たたまれなくなり、次の駅で上り線に乗り換えた。
まさか女子高生に見つかるとは…いや、人に見つかることなど一度もなかったのだ。その点、この電車は大丈夫だ。さて、仕事に取り掛かるとするか、私は先頭車両に向かった。
「どうしたのかしから?」
「何か変だぞ」
窓の外に超高層ビルが立ち並ぶ都会の街並みが迫ってきた。しかし、電車は速力を落とす気配も見せずに、ポイントが複雑に交差する終点に向かって猛然と突き進んでいった。
車内を絶望的な悲鳴が埋め尽くしていった。
「おじさん。何しているんですか?」
一人の女子高生が声をかけてきた。
「えっ?私は何も…」
私は驚いて、思わず返事をしてしまった。
「その格好、マジ怪しいんですけど」
「怪しいって…私がそんなふうに見えますか?」
「バッチリ!見えます!」
女子高生の声が車内に響き、車内中の乗客が彼女に視線を注いだ。私は居たたまれなくなり、次の駅で上り線に乗り換えた。
まさか女子高生に見つかるとは…いや、人に見つかることなど一度もなかったのだ。その点、この電車は大丈夫だ。さて、仕事に取り掛かるとするか、私は先頭車両に向かった。
「どうしたのかしから?」
「何か変だぞ」
窓の外に超高層ビルが立ち並ぶ都会の街並みが迫ってきた。しかし、電車は速力を落とす気配も見せずに、ポイントが複雑に交差する終点に向かって猛然と突き進んでいった。
車内を絶望的な悲鳴が埋め尽くしていった。
公開:19/06/03 21:46
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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