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「わ~。西さんのお弁当今日も凄くキレイ!仕事も出来るし料理も出来る。まさに女の憧れだわ~」
昼休み、私のお弁当を見て同僚が褒めてくれる。私の胸は少し痛んだ。
「西さん、今日のお弁当、海苔で『ゴメンね』って。昨日のことまだに気していたの?いいよ。私全然気にしてないから」
別の同僚が私のお弁当を見て何か勘違いした。はて?私は昨日彼女に何かしただろうか?覚えがない。

皆、この女子力高めのお弁当は私が作っていると思ってる。違う。
このお弁当、作っているのは私でなければ両親でもない。かといって店で買ったものでもない。
では誰が作ったものかと言うと、部署の奥で今日もしかめっ面をしている部長が作ってくれたものだ。
実は私、皆に秘密で部長と付き合っている。同棲もしている。
実は私、家事全般が苦手である。実は部長、家事全般が得意な上、大好きである。
今日も私の彼は同僚の誉め言葉に口角を少し上げ喜んでいる。
公開:19/06/03 18:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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