むしろ、犯人はコイツだ!

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シャッ。

一瞬のカーテンレールの音。

開いた隙間からガラスに映り込むのは、若い女性がすがるように布地を握りしめたまま倒れ込む姿。

ブチ、ブチッと引きはがされたカーテンを、彼女はクルクルと自身に巻き付けながら引き寄せる。

「むにゃむにゃ。」

コラーッ、この酔っ払いが!

女三人集まって飲みの果ての惨状。

足先だけをのぞかせて、すっぽりとくるまって動かない彼女を、もう一人の友人が睥睨(へいげい)すると、すっかりカーテンの無くなった裏庭へと続くサッシを開けてのたまう。

「これはもう埋めるしかないな。」

「えっ?」

形ばかりの生垣の向こうに、驚いた様子の男性がいた。

「しまった、目撃者をだしてしまった。」

「うわぁー!」

消そう。

素早く友人の口をふさぎ、部屋へ押し戻して、サッシを閉め、明かりを消した。

ベッドに飛び込み布団をかぶる。

もう知らない!全部忘れる!
その他
公開:19/06/03 18:07
更新:19/06/05 08:10
ただいま 十日ぶりに帰宅しました

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