におう立ち
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突然の夕立。
忙しなく動くワイパー。オンボロを抜き去るハイヤー。
雨が止み、私は車の窓を開けた。
あれ?夕立が地面を叩いたにおいがない。
橋の手前では、突然の渋滞。
巨大な塊が道を通せん坊している。
スマホでヘリからの映像を見ると、茶色の弁慶が仁王立ちしていた。
ドローンが突っ込み、機体が曲がる。
送風機で風を送るが、びくともしない。むしろ、送風機を飲み込まれ、内弁慶のにおいが送られてきた。
濃い夕立のにおい。臭い。苛立ち。
その時、私の車の屋根に誰かが乗った。渋滞の車の上を駆け抜けていく。
『助太刀いたす!爽やか丸、参上』
両手にはスプレーらしきものを持っている。彼は弁慶の泣き所に噴射すると、弁慶に飛び込んだ。
『これは土埃の誇り。プライ土!元から絶ちます。散!』
弁慶の像が崩れだし、やがて消えてなくなった。
夕立のにおいが辺りを満たし、夕陽が差す頃、車は動き出した。
改めて、旅立ちだ。
忙しなく動くワイパー。オンボロを抜き去るハイヤー。
雨が止み、私は車の窓を開けた。
あれ?夕立が地面を叩いたにおいがない。
橋の手前では、突然の渋滞。
巨大な塊が道を通せん坊している。
スマホでヘリからの映像を見ると、茶色の弁慶が仁王立ちしていた。
ドローンが突っ込み、機体が曲がる。
送風機で風を送るが、びくともしない。むしろ、送風機を飲み込まれ、内弁慶のにおいが送られてきた。
濃い夕立のにおい。臭い。苛立ち。
その時、私の車の屋根に誰かが乗った。渋滞の車の上を駆け抜けていく。
『助太刀いたす!爽やか丸、参上』
両手にはスプレーらしきものを持っている。彼は弁慶の泣き所に噴射すると、弁慶に飛び込んだ。
『これは土埃の誇り。プライ土!元から絶ちます。散!』
弁慶の像が崩れだし、やがて消えてなくなった。
夕立のにおいが辺りを満たし、夕陽が差す頃、車は動き出した。
改めて、旅立ちだ。
その他
公開:19/06/03 17:47
ベリショーズvol.2より
★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!
★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』
★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。
・カプセルストーリー(恐竜バーガー、『菊池
の選択』、六文字の返信ほか)
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ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
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そるとばたあ