令和元年のタイムスリップ娘

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 ドロン!と煙とともに突如として僕の部屋に現れた全裸の少女の額には、う○こと刺青されていて、他にも意味不明の文様や汚い言葉の刺青が全身を飾っていた。
「こんなの誰でもやってるよ、未来も今もわかってないなパパは。」
計算は合わないが、彼女は令和80年の未来からタイムスリップしてきた僕の娘なのだそうである。
「どんぶらこ。」
そういって娘は、ソファー代わりの僕のベットに腰掛けた。
「どんぶらこ?」
「どんぶらこって言わない?座ったりするとき。」
「それ、どっこいしょじゃ…」
80年経つと言葉使いも少し変わってしまうのかもしれない。
娘が昔の世界を見て回りたいというので、もう夏も近かったが、全身の刺青が隠れるような上下長袖のジャージを着せ、額のう○こを隠すためにニット帽をかぶせた。
「暑いよパパ。」
「わがまま言うな。」
そんな会話を交わしてやっと、なんだか本当に父娘みたいな気がして来た。
SF
公開:19/06/03 12:35
更新:19/06/09 09:34
スクー 全身刺青タイムスリップ わがまま娘どんぶらこ

尋亀( ネオトキオ )

巣々木尋亀(すずきひろき)と申します。

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