ビーバーフィーバー〜狙われた限界集落〜

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この書置きを残して去るのは君と赤ん坊の為でもあるんだ。犠牲になるのは僕だろうけど、君達に危害が及ぶといけないからね。
前に話したろ、僕が祖母に引き取られて育った川辺の村の事。天災で崩壊したと言ったよね、でも本当は何者かの陰謀だったんだ。
あの夜、異様な音で目が覚めた僕の目に映ったのは、蠢くビーバーの群れだった。奴等は家中の柱に纏わりつき狂った様に齧り続けていた。
僕は急いで祖母を起こし外に出て他の家々を周ったが、どこも同じ状況だった。しかも村人は耳が遠くて弱々しい年寄りばかりさ、僕が起こさなけりゃ家屋の下敷きになってたろうね。
それにしても奴等の空虚な目は今でも忘れないよ。きっと村の柱だけを齧るように操られてたのさ。だから村人には見向きもせず、僕も今まで無事でいられたんだ。
ここまで読んで感付いたろ?このままだときっと奴等はここに来る。
あの村で育ち、一家の大黒柱となった僕を齧りに。
ホラー
公開:19/05/31 21:32
更新:19/06/01 15:33
B級アニマルホラー 第二弾

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