白い大河

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争い事の多い人間に嫌気がさした神は、人間に試練を与えることにした。
地上の植物を全て枯らしたのである。いや、1本だけ、りっぱなりんごの樹は残った。しかしその実は全て毒りんごだった。神はさらに試練を与えるため、干ばつにした。雨が降らず川は干上がり飲み水がなくなってしまった。乳飲み子を持つ母親の乳が出なくなった。泣き続ける子供を抱くことしかできず、ある母親が意を決して毒りんごの樹の下に行った。
「神様お願いです。私の命を捧げます。その代わりにこの胸から乳を出してください」そう祈りを捧げると、毒りんごの実を口にした。

母親は絶命した。泣き叫ぶわが子を抱いたまま。

次の瞬間、子供が母親の胸にむしゃぶりついた。乳が出たのである。さらにもう片方の胸からも乳が流れだしていた。その量は次第に多くなり、地面を流れ伝い始めた。そして川となり地上を潤し始めた。

「大切な命があることを決して忘れるでないぞ」
ファンタジー
公開:19/05/31 17:45
更新:19/05/31 18:01
スクー めでたし毒リンゴ

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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