なくならないリンゴ

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不思議な老婆に、
不思議なリンゴをもらった。
「自分のことを好きになって欲しい人にリンゴを食べさせなさい」
「リンゴは増えるから心配するな」
「必要なくなったら次の人に渡せ」
などと言うと姿を消した。

怪しいとは思ったが、
片想い中のあの子に
リンゴを食べてもらう日々が続く。
片想い中だったあの子は僕の彼女になった。

僕は毎日リンゴを切る。
彼女は毎日リンゴを食べる。
罪悪感はあったが、大好きな子だ。
気を良くした僕はアップルパイを焼くことにした。

アップルパイを食べたその日、彼女は姿を消した。
リンゴの力は火を入れると消えるようだ。

絶望したと同時に、老婆が現れた。
「お前もか…これは他人に食べさせると中毒性の高いリンゴだ。
他人にとっても、お前にとってもな」
僕はハッとして、リンゴをかじった。
温かさと安心感が広がり、力が湧く。
老婆の笑顔を見たと思ったが、すでに姿はなかった。
その他
公開:19/06/01 10:25
スクー めでたし毒リンゴ

屋部裕子

スクー用に始めてみました!
よろしくお願いします。

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