ふくれる
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この恋紙は私達を繋ぐ約束の紙。
ユクの頭は十歳にして既に直径1メートルを越えていた。何故かユクの頭は人を好きになるとふくれるのだ。
「もう、スエに会わんでやな」
ユクの両親は山の頂上の小屋に閉じ込めた。
「誰にも教えるなや。これ以上膨らますわけにいかんやもんの」
ユクはスエに会いたい、その一心で恋紙の飛行機を折った。そして薄ら寒い月夜にスワっと飛ばした。紙飛行機は高く高く遠く遠く高く。
マジャがスエの元に来た。
その手には恋紙の飛行機が。
「ユクが山のてっぺんにおるやも」
「私は会いにいけん。ふくれる」
「もう、ふくれんと」
マジャは飛行機を開いて書かれている文字を見せた。
スエは一人、山を登っていた。山中、抱き合う男女のような岩石があった。
ユク
会いたいや
よく晴れた日だった。
山のてっぺんで、ポンと何かが割れた。
マジャは微笑んだ。
「私の字ってバレとらんや」
ユクの頭は十歳にして既に直径1メートルを越えていた。何故かユクの頭は人を好きになるとふくれるのだ。
「もう、スエに会わんでやな」
ユクの両親は山の頂上の小屋に閉じ込めた。
「誰にも教えるなや。これ以上膨らますわけにいかんやもんの」
ユクはスエに会いたい、その一心で恋紙の飛行機を折った。そして薄ら寒い月夜にスワっと飛ばした。紙飛行機は高く高く遠く遠く高く。
マジャがスエの元に来た。
その手には恋紙の飛行機が。
「ユクが山のてっぺんにおるやも」
「私は会いにいけん。ふくれる」
「もう、ふくれんと」
マジャは飛行機を開いて書かれている文字を見せた。
スエは一人、山を登っていた。山中、抱き合う男女のような岩石があった。
ユク
会いたいや
よく晴れた日だった。
山のてっぺんで、ポンと何かが割れた。
マジャは微笑んだ。
「私の字ってバレとらんや」
ホラー
公開:19/06/01 09:50
更新:19/06/01 11:39
更新:19/06/01 11:39
たらはかに
https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。
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